No.16 洋楽バカ(前)

国語で太宰治の「富岳百景」をやった。

読んだ人はわかるだろうが、うちのユーザーは若い人が多い。

太宰治の富岳百景読んだよ〜☆マジ良かったvv

みたいな人はまずいないだろう。いるかな?いやいないだろ。

その中で太宰治は俗なもの、つまりありきたりなものが嫌いだと言う。
だから富士山は俗な山で好きじゃないと。
いわゆる「ミーハー」が嫌いだと。

なんてひねくれた奴だと思ったが、思い当たる節が俺にもあった。


昨年の11月14日。
The Beatlesから、また企画盤が発表された。
その名も「Let It Be ... NAKED」。

The Beatlesの「Let It Be」は、アレンジをBeatlesに通さずにやってしまい、販売された、変なアルバムなのである。
特にPaul McCartneyの名曲、「The Long And Winding Road」では、曲の雰囲気をぶち壊す、大袈裟でウザいストリングスやコーラスが入っていて、気味が悪い。
そのアレンジに対する、Paul McCartneyの恨みがかなりのものであったのは有名な話だ。

それらのアレンジを削ぎ落とし、アレンジの無い状態に戻し、曲順、収録曲を一部変えて発表したのが、今回の「Naked」である。

もともと、このアルバムは「世界同時発売」ということで、「11月19日」発売だったのだが、日本が「CCCD」で発売するというリスクを背負うがために、日本は5日早い、11月14日に発売した。しかし、案の定、輸入版で買う日本人が増え、Beatlesの企画版アルバムとしては異例の「初登場1位」を逃してしまったのだ(1位は「LOVE」中島美嘉)。

Beatlesとは4歳からの付き合いで、実はホークスよりも思い入れが強い。
ということで、俺はウキウキ、輸入版を1680円で購入した。
俺はウキウキ、CDウォークマンにそのCDを入れ、電車内で聴いていた。



ラストの「Let It Be」で、太宰治の気持ちがわかった。

「Let It Be」のイントロのピアノが耳に入り込んでから、急に音漏れを異常に気にする自分に気がついた。


恥ずかしくてたまらないのだ。


どうしよう。
「ヨーガク(洋楽)、よくね?」
とか言って、「Let It Be」ばっか聴いてる、ミーハー高校生とか思われたらどうしよう。
「うわ、『Let It Be』かよ」
て、思われたらどうしよう。

静かな電車の中で静かに俺の耳で鳴り響く、世界最強の有名曲「Let It Be」。
俺は急いで、電源を切ってしまった。

序盤の「Dig A Pony」とか「Get Back」なんかは別に大丈夫。
「Let It Be」。これは最強。外でウォークマンを耳にはめて聴けない。

それからというもの、何故かBeatlesを電車まで持っていくことは怖くなり、多方面に音楽の趣味を拡げるようになった。

これはこれで、Beatlesバカの俺には良かったかもしれない。

ただ、もう少し日本の音楽にも耳を傾けること(吉田拓郎以外で)。
これが課題だ。

この前、友人とアルバムのチラシを見て、
「このアルバム3,000円って高いな」
と言ってしまった。
洋のアルバムは日本版では大抵、2,500円なのだ。
俺はそれを知らなかった。
「それはお前が洋楽のアルバムしか買わないからだろ」

英語を聞き取れるわけでもないのに、なぜ、洋楽の方向へ行ってしまうのか。
俺の「ブック・マーケット」伝説は始まっていた。


うちのユーザーは若い人が多い
管理人が若いため、ユーザーも若い傾向にある。考えてみれば当然な話。











The Beatles
管理人が4歳からお世話になっている、20世紀最大のロック・バンド。これまでの世界での累積レコード売上げは10億枚をゆうに超える。

「Let It Be ... NAKED」
邦題「なすがままに・・・裸」(嘘)

Paul McCartney
ポール・マッカートニー。Beatlesのベーシスト。ヴァイオリンの形をした「ヘフナー(ホフナー)ベース」と、左利きがトレードマーク。未だバリバリ現役で活動中。昨年まで、1年半に渡るパワフルな世界ツアーを行った、元気いっぱいのおじいちゃん。なんと昨年に再婚相手と子どもまで作っちゃいました。

CCCD
コピー・コントロールCD。コピー・ガードされており、パソコン等で音楽データがコピーできない仕組みになっている。音質が悪く、音がこもる印象がある。古いCDプレイヤーで聞くと、プレイヤーが破損する可能性も。


































ブック・マーケット
中古本・中古ゲーム・中古CDなどを扱う店。ブック・オフみたいなもん。

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